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Amazon Music Unlimitedでクラシックを聴く|私がQobuzから戻ってきた理由

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オーディオを趣味にしていると、どうしても「より高いスペック」や「より高音質なサービス」が気になってしまうものです。私自身もその一人で、少しでも良い音で音楽に浸りたいと、話題の高音質ストリーミングサービス「Qobuz(コバズ)」を試していました。

しかし結論から言うと、現在はAmazon Music Unlimitedに戻ってきて、毎日のようにクラシックを聴いています。

なぜ、オーディオ好きから高音質だと支持されているQobuzではなく、Amazon Music Unlimitedを選んだのか。この記事では、私が実際に自分のシステムで聴き比べ、悩み、そして「自分にとって本当に大切なこと」に気づくまでの体験をお話しします。

目次

Amazon Music Unlimitedはクラシックを聴く人にも十分使える

最初に私の結論をお伝えしておきます。私がQobuzから戻ってきたのは、「Amazon Music Unlimitedの方がQobuzよりも圧倒的に高音質だったから」という理由ではありません。

むしろ、サービスとしての最高スペックや音質へのこだわりという点では、Qobuzは非常に素晴らしいサービスです。せっかくオーディオをやっているのだから、少しでも高音質な方を選ぶべきではないかという迷いも、正直ありました。

それでも私がAmazon Musicを選んだのは、自分のシステムで鳴らしたときの音質に十分満足できたうえで、「聴きたい音楽との出会いやすさ」や「毎日の使い勝手」が私に合っていたからです。

クラシックでは「何曲あるか」より、聴きたい演奏があるかが大切だった

クラシックでは「何曲あるか」より、聴きたい演奏があるかが大切だった

同じ曲でも指揮者や演奏家、録音が違えば別物

音楽配信サービスを選ぶ際、「楽曲数○億曲」という数字がよくアピールされます。しかし、クラシックを聴く人間にとって、この単純な曲数だけでサービスの良し悪しを判断することはできません。

たとえば同じバッハの楽曲でも、演奏家や指揮者、オーケストラ、そしていつ・どこで録音された盤なのかによって、まったく違う音楽になります。「バッハがあるから十分」ではなく、「自分が今聴きたい、あの演奏家のあの盤があるか」が非常に重要なのです。

Qobuzでは購入対象だった音源があった

私がQobuzを使っていたとき、少し困ったことがありました。クラシックのレビュー等で評価の高い名盤を聴いてみようと検索した際、聴きたい作品がストリーミング聴き放題の対象ではなく、「購入対象(ダウンロード販売)」になっていることが何度かあったのです。

もちろん、アーティストに適正な対価を払って音源を所有する、というQobuzの姿勢は素晴らしいものです。ただ、色々な演奏家の解釈を気軽に聴き比べたいときには、少しもどかしさを感じてしまいました。

Amazon Musicには意外な「掘り出し物」がある

その一方で、同じ名盤をAmazon Music Unlimitedで探してみると、あっさりとストリーミング再生の対象として見つかることがよくありました。

決して「Amazon Musicなら世界中のすべての名盤が揃っている」と言うつもりはありません。しかし、クラシックの深い森を探索していると、思いがけない良質な録音や歴史的な名盤がポンと見つかる、そんないい意味での「掘り出し物」に出会える楽しさがAmazon Musicにはありました。

Qobuzの方が高音質?実際に同じクラシック音源を聴き比べた

イザベル・ファウストのバッハで比較

では、肝心の音質はどうでしょうか。私はQobuzを利用していた期間中、Amazon Music Unlimitedと両方のサービスを行き来しながら、同じクラシック音源でじっくりと聴き比べを行いました。

試聴に使ったのは、イザベル・ファウストが弾くJ.S. Bachの「Sonatas & Partitas BWV 1004-1006」です。無伴奏のヴァイオリンが空間にどう響くのか、オーディオのチェックにもよく使う大好きな音源です。なお、Amazon Music側ではUltra HD画質(ハイレゾ相当)として配信されていました。

イザベル・ファウストのバッハをAmazon Music Ultra HDで再生している実際のスクリーンショット

PMA-2500NE+B&W 705 S3でも違いはわずかだった

私のメインシステムは、アンプがDENONの「PMA-2500NE」、スピーカーがB&Wの「705 S3」という構成です。それなりに音の違いを描き分けてくれるシステムだと信頼しています。

しかし、この環境で両者をじっくり聴き比べた結果、私の耳には「ほとんど同じ音」に感じられました。ネット上では様々な音質比較の議論がありますが、少なくとも私の部屋、私のシステム、私が普段聴く音量においては、どちらかが圧倒的に優れているという明確な大差は感じられなかったのです。

私にはQobuzが少し腰高に、Amazon Musicがスタンダードに感じた

あえて細かく粗探しをするように聴いてみると、ほんの少しだけニュアンスの違いはありました。

私の環境では、Qobuzの方がほんの少しだけ重心が高く、腰高な鳴り方をするように感じました。対してAmazon Music Unlimitedの方は、よりどっしりとした、私にとっての「スタンダード」な音に聞こえたのです。

ただ、これはあくまで私のシステムでの主観です。どちらが原音に忠実かというよりも、単純に「自分の耳とシステムにはどちらが心地よく馴染むか」という相性の問題だと感じました。

24bit/192kHzなら音楽はもっと感動できるのか

24bit/192kHzなら音楽はもっと感動できるのか

数字だけ比べても仕方がないと私は思う

「24bit/192kHzなどの高いスペックを誇るサービスの方が、間違いなく高音質である」という理屈は、オーディオファンとしてよく理解しています。データの情報量が多ければ、それだけ緻密な音が記録されているのは事実でしょう。

しかし、そのスペック上の違いを、自分の再生環境で、自分の耳で実際に感じ取れるかどうかは別問題です。どんなに数字が大きくても、それが「音楽を聴いたときの感動の差」に直結しなければ、私にとってはあまり意味がありません。

音質差より「聴きたい演奏があること」を選んだ

私の環境では、QobuzとAmazon Music Unlimitedの音質差はごくわずかでした。そして、Amazon Musicから流れてくるファウストのヴァイオリンの音色でも、私は十分に心を打たれ、音楽の喜びを感じることができました。

それならば、ごくわずかな音質のニュアンスを追い求めるよりも、「今夜聴きたいと思ったあの指揮者の演奏が、すぐにストリーミングで聴けること」を優先したい。そう考えるようになったのです。

Amazon Musicは「排他モード」で印象がかなり変わった

Qobuzとの差より排他モードON/OFFの方が大きく感じた

音質に関してもう一つ、私にとって決定的な出来事がありました。それはAmazon Musicアプリに搭載されている「排他モード」の存在です。

Qobuzとの差より排他モードON/OFFの方が大きく感じた

パソコン等で音楽を再生する際、OSのオーディオミキサーを通さずに、音楽データを直接オーディオ機器へ送り込む機能です。私の環境でこの排他モードをONにして聴いてみたところ、ベールが1枚剥がれたように音が格段にクリアになり、見通しが良くなったと感じました。

非常に面白かったのは、私にとっては「QobuzとAmazon Musicのサービス間の音質差」よりも、「Amazon Musicで排他モードをON/OFFしたときの音の差」の方が、はるかに大きく感じられたことです。この機能を使えば、Amazon Musicでも十分にピュアなオーディオ体験ができると確信しました。

(※この排他モードの具体的な設定や効果については、語り始めると長くなるため、また別の記事で詳しく紹介したいと思います)

音質だけではなく、アプリの使いやすさもAmazon Musicを選んだ理由

オーディオと向き合う時間は特別ですが、音楽配信サービスは毎日のように触れる「日常の道具」でもあります。その点でも、私にはAmazon Musicのアプリの方が直感的に使いやすく感じました。

目当てのクラシック音源を検索する際の引っかかりやすさや、アルバムの管理のしやすさ。さらに、クラシック以外の気分になったとき、日本の楽曲などもスムーズに見つけて聴くことができる気軽さがあります。

スペックの高さよりも、こういった日常的なストレスのなさが、結果的に「もっと音楽を聴こう」というモチベーションに繋がっている気がします。

それでもQobuzの方が向いている人はいる

ここまでAmazon Music Unlimitedを選んだ理由を書いてきましたが、Qobuzを否定するつもりはまったくありません。

Qobuzには、音楽そのものを深く愛し、アーティストの権利を尊重するという素晴らしいサービス思想があります。また、ストリーミングだけでなく、気に入ったハイレゾ音源を購入して「自分のもの」として所有できる機能は、根っからのオーディオファンにとって非常に魅力的です。

自分のシステムで明確な音質の優位性を感じ取れる方や、デジタル音源をしっかり購入してライブラリを構築したい方にとっては、Qobuzは間違いなく最高の選択肢の一つだと思います。

私がクラシックを聴くならAmazon Music Unlimitedを選ぶ

「数字が大きい=自分にとって最も良い音楽サービス」とは限りません。

オーディオの本来の目的は、スペックの数値を比べることではなく、自分の好きな音楽を心ゆくまで楽しむことです。自分が聴きたい演奏家の音源が豊富にあり、アプリが使いやすく、そして何より自分のオーディオシステムで鳴らしたときに「十分いい音だ」と満足できること。

私の環境とリスニングスタイルにおいては、それがAmazon Music Unlimitedでした。

もしあなたが、どの音楽サービスを選ぶか迷っているなら、ネットの評判やスペックの数字だけで決めてしまうのは少しもったいないかもしれません。まずはご自身のシステムで、ご自身の耳で、大好きな楽曲を鳴らして判断してみてはいかがでしょうか。

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