アンプをDENON PMA-900HNEからPMA-2500NEへ替えたとき、「音が少し良くなった」という程度の変化ではありませんでした。
私が特にはっきり違いを感じたのが、いつも聴いている2曲です。
Larry Carltonの「Room 335」と、ホルストの組曲『惑星』から「火星」。
「Room 335」ではドラムの重厚感が増し、「火星」ではオーケストラが押し寄せてくるような迫力が明らかに強くなりました。
そして意外だったのが、高域です。
低域だけが強くなったのではなく、高域も「少し出過ぎでは」と感じるほど前へ出てきました。
PMA-900HNEも好きなアンプでしたが、PMA-2500NEへ替えて初めて、
「アンプの駆動力が変わると、いつも聴いている曲がここまで変わるのか」
と実感しました。
今回はスペックを細かく比べるのではなく、この2曲を軸に、私が実際に感じた違いを書いてみます。

「Room 335」のドラムが一段重くなった
Larry Carltonの「Room 335」は、私が長くオーディオの確認に使っている曲です。
ギターはもちろん聴きますが、この曲で私が気になるのはドラムとベースです。
PMA-900HNEで聴いていたときも不満はありませんでした。
ところがPMA-2500NEへ替えて同じ曲を聴くと、最初に気づいたのがドラムの重さでした。
単純に低音の音量が増えただけではありません。
キックが入ったときの音に厚みがあり、以前より「ドン」とした芯を感じる。ドラム全体にも重心が下がったような安定感がありました。
私はここでかなり驚きました。
アンプを替える前は、スピーカーほど大きな変化は出ないだろうと思っていたからです。
「Room 335」を聴いて最も印象に残ったのは、低音が増えたことより、ドラムそのものが重く、力強く感じられたことでした。
ギターも埋もれません。
むしろ低域に土台ができたことで、Larry Carltonのギターとリズム隊の位置関係が分かりやすくなったように私は感じました。
この曲を何度も聴いてきたからこそ、変化に気づきやすかったのだと思います。

『惑星』の「火星」は、さらに違いが分かりやすかった
もう一曲、違いを強く感じたのがホルストの組曲『惑星』の「火星」です。
私はオーディオの音を確認するとき、ジャズやフュージョンだけでなくクラシックもよく使います。
「火星」は特に分かりやすい。
静かな曲ではありません。
オーケストラ全体が大きなエネルギーを持って迫ってくる曲です。
PMA-2500NEへ替えて聴いたとき、ここでも低域の力が増しました。
ただ、「Room 335」と少し違うのは、低音だけに耳が向かなかったことです。
オーケストラ全体のスケールが大きくなったように感じました。
音が重なる場面でも一つの塊になりにくく、低い音には力があり、その上にある音も以前よりはっきり出てくる。
何より「火星」らしい圧力があります。
PMA-900HNEでも曲の迫力は十分楽しめました。
でもPMA-2500NEで聴くと、
「この曲はこういう怖さのある曲だったんだ」
と改めて感じるほどでした。
私にとってPMA-2500NEへの買い替えを一番分かりやすく実感できた曲は、『惑星』の「火星」かもしれません。
オーケストラの音数が増え、低域から高域まで一気に鳴る場面で、PMA-2500NEの余裕を感じました。
低域だけではない。高域もかなり出てきた
PMA-2500NEについて「低音が強くなった」という話だけをすると、少し違います。
私の環境では、高域もかなり変わりました。
むしろ最初は、
「ちょっと出過ぎでは?」
と思ったほどです。
当時組み合わせていたのはB&W 705 S2 Signatureでした。
PMA-900HNEのときには比較的バランスよく聴けていたのですが、PMA-2500NEへ替えると、低域だけでなく高域の存在感も強くなりました。
女性ヴォーカルでは、録音によって耳につくこともありました。
つまり、
PMA-2500NEは低音だけを力強くしたわけではなく、私にはスピーカー全体を強く駆動しているように聴こえた
というのが近いです。
ここはメリットでもあり、組み合わせによっては注意点にもなると思います。
B&WにはMarantz? 私はDENONもかなり合うと思う
B&WにはMarantzを合わせる、という話を見聞きすることがあります。
私自身もMarantzのアンプを使った経験があります。
確かに、B&Wの高域を考えるとMarantzを好む人がいることは理解できます。
ただ、私はB&WとDENONの組み合わせもかなり好きです。
特にPMA-2500NEで聴く「Room 335」のドラムや、『惑星』「火星」の迫力は、この組み合わせだからこそ楽しめた魅力の一つだと思っています。
DENONだから低音だけ、Marantzだから高音がきれい、と単純に分けるつもりもありません。
実際、PMA-2500NEでは高域もかなり出ました。
だからこそ私は、
「B&Wにはこのメーカー」
と最初から決めてしまうより、自分が何を聴きたいのかでアンプを選んだほうが面白いと思っています。
「Room 335」のドラムをもっと重く聴きたい。
「火星」のオーケストラにもっと圧倒されたい。
そういう聴き方なら、DENONの上位アンプをB&Wと組み合わせてみることをおすすめします。
私はB&WだからMarantz、とは考えていません。少なくとも私が聴いてきた音楽では、DENON+B&Wが好みにあうようです。
ダンピングファクター700以上という数字を見て、少し納得した

PMA-2500NEについてDENONは、スピーカー駆動力を示す指標の一つであるダンピングファクターについて、700以上(20Hz〜20kHz)と公表しています。
さらに定格出力は8Ωで80W+80W、4Ωでは160W+160Wです。
PMA-900HNEは8Ωで50W+50W、4Ωで85W+85Wなので、出力の数字にもかなり差があります。
「Room 335」のドラムや「火星」の迫力を聴いたあとで、この数字を見ると、
「なるほどな」
と思いたくなります。
ただし、ここは分けて考えています。
私はアンプの出力インピーダンスを測定したわけでも、ダンピングファクターだけを変えて比較したわけでもありません。
ですから、
ダンピングファクター700以上だから、この音になった
と断定することはできません。
PMA-2500NEは電源部や増幅回路などもPMA-900HNEとは異なります。
それでも、実際に聴いた低域の制動感や力強さと「700以上」という数字を見ると、個人的には納得する部分があります。
私のシステムでは、それだけスピーカーをしっかり動かしているように感じたからです。
PMA-900HNEから2500NEへ替えて、一番変わったもの
音質用語だけでまとめるなら、
- 低域の厚み
- ドラムの重さ
- オーケストラの迫力
- 高域の存在感
- 音全体の力強さ
このあたりが、私が感じた主な違いです。
でも、この記事で一番伝えたいのはスペックではありません。
同じ「Room 335」をかけたとき、ドラムを聴いて思わず、
「ずいぶん違うな」
と思ったこと。
そして『惑星』の「火星」を聴いたとき、オーケストラが押し寄せてくる感覚が以前よりずっと強くなったことです。
その2曲を聴いた経験のほうが、私には80Wや160Wという数字より分かりやすい比較でした。
PMA-900HNEからPMA-2500NEへ替えて私が得たのは、「音が少し良くなった」という変化ではなく、聴き慣れた曲の迫力そのものが変わる体験でした。
もちろん、その力強さがすべてのスピーカーや音楽で正解になるとは思いません。
実際、高域については少し強すぎると感じた時期もありました。
それでも私は、PMA-2500NEへ替えたことを後悔していません。
「Room 335」のドラムを聴くたびに。
そして「火星」の冒頭からオーケストラが動き始めるたびに。
このアンプへ替えた意味はあったな、と今でも思います。

