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Amazon Music Unlimitedのハイレゾは本当に高音質?CD・SACDを聴いてきた私が感じたこと

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音楽を聴くためのメディアといえば、私にとっては長年「CD」がその中心にありました。若い頃から一枚一枚アルバムを買い集め、ケースからディスクを取り出してプレーヤーにセットする一連の所作も含めて、音楽を楽しむ大切な時間だったのです。

音質へのこだわりが強くなるにつれ、より解像度が高く情報量の多い「SACD(Super Audio CD)」にも惹かれ、好きなアーティストの作品や高音質盤を見つけては買い買い足してきました。

しかし、SACDは通常のCDよりもかなり高価で、流通枚数も限られています。名盤と呼ばれる作品やクラシックの録音を片っ端からSACDで揃えようとすると、私の給料では買える枚数が限られてしまいます。

「もっと手軽に、それでいて自宅のオーディオシステムで納得できるような『良い音』で音楽を思い切り楽しむ方法はないだろうか」

そう考えて目を向けたのが、音楽ストリーミングサービス(サブスク)でした。

最初に試してみたのは、当時最も勢いのあったSpotifyでした。無制限に曲を選べる便利さには感動したものの、長年CDやSACDの音を聴き慣れてきた自分の耳には、どこか音が薄く平坦に聞こえてしまい、音質面での物足りなさを拭えませんでした。

そこで「もっと高音質なサービスはないか」と探してたどり着いたのが、Amazon Musicでした。

しかし、ここでも私は大きな落とし穴にはまってしまいます。Amazon Musicを使い始めた当初、アプリの初期設定に気づかないまま、ずっと「標準音質」のまま聴き続けていたのです。

「なんだ、話題のAmazon Musicもこの程度の音か。やっぱり圧縮されたサブスクの音はCDには及ばないな」

勝手にそう思い込み、一度は諦めかけていました。ところが後になってアプリ内の音質設定の存在を知り、正しく高音質設定へ変更してみたところ、その音の変わりように思わず息をのむことになります。

今回は、CDやSACDを長年愛聴してきた一人のオーディオファンとして、Amazon Music Unlimitedのハイレゾ(HD/Ultra HD)の本当のところはどうなのか、私の実体験とともにお伝えしたいと思います。

目次

Amazon Music Unlimitedではハイレゾを聴ける?

「Amazon Musicで本当にハイレゾ音源が聴けるのか?」という疑問を持っている方もいるかもしれませんが、結論から言えば、Amazon Music Unlimitedの契約者であれば追加料金を払うことなく、CDスペックを超えるハイレゾ音源をそのまま楽しむことができます。

かつては「Amazon Music HD」という高音質専門の別プランとして提供されていましたが、現在は標準機能として集約され、非常に利用しやすい環境が整えられています。現在配信されている高音質フォーマットには、大きく分けて「HD」と「Ultra HD」の2種類があります。

HDとUltra HDは何が違う?

まずはこの2つの違いを整理しておきましょう。それぞれのスペックと概要は以下の通りです。

規格サンプリング周波数 / ビット深度概要・音質レベル
HD(ロスレス)16bit / 44.1kHzCDと同等レベルの音質。データ圧縮による音質劣化がないロスレス状態。
Ultra HD(ハイレゾ)24bit / 44.1kHz 〜 最大 192kHzCDのスペックを大きく上回るハイレゾ音質。スタジオの原音に近いデータ量を持つ。

Amazon公式の案内によると、CDと同等の「HD」品質で1億曲以上、さらにそれを超える最高音質の「Ultra HD」品質でも数百万曲以上の楽曲がラインナップされています。普段聴くような楽曲の多くが、すでに高音質化されていると考えてよいでしょう。

私は24bit/192kHzという数字だけでは音質を判断していない

スペック表を見ると「24bit/192kHz」という数字が目につき、数字が大きければ大きいほど絶対に高音質になると思いがちですが、私はこうしたデータ上の数値だけで音の良し悪しを判断しないようにしています。

私はこれまで、Amazon Musicだけでなく、Apple MusicやQobuzといった他のハイレゾ配信サービスも実際に契約して聴き比べてきました。その中で強く感じたのは、仮に同じ「24bit/96kHz」というまったく同じスペックの数値であっても、サービスごとに音の質感や空間の描き方、キャラクターのような方向性が確かに存在するということです。

デジタル上の数字だけでは評価できない「音の味付け」や「響き方の違い」があるからこそ、スペックの大きさに捉われすぎるのではなく、実際のオーディオシステムを通して自分の耳でどう感じるかを大切にするようにしています。

Amazon Musicの標準音質とHD、Ultra HDの違いを示した図

Amazon Musicの音が悪い?まず確認したい音質設定

もし「Amazon Musicを聴いてみたけれど、思ったほど音が良くない」「なんだかもやっとしている」と感じているなら、それはアプリの初期設定のまま再生している可能性が非常に高いです。

Amazon Musicアプリは、デフォルトの状態だとスマートフォンの通信量(パケット消費)や再生の安定性を優先するため、再生品質が自動的に「標準音質(圧縮音源)」に抑えられていることがあります。サービス本来のポテンシャルを発揮させるためには、アプリの設定画面を開いて、明示的に音質を「HD/Ultra HD」に固定してあげる必要があります。

私は標準音質のまま聴いて「サブスクはダメだ」と思っていた

先ほどもお伝えした通り、まさに私自身がこの設定を見落として「サブスクはダメだ」と決めつけていた一人でした。

使い始めの頃、初期設定のまま曲を流しては「やっぱりCDの厚みや解像感には敵わないな」と一人で勝手に納得していたのです。しかしある日、アプリの深い階層にある音質設定を見つけ、ストリーミングもダウンロードも「HD/Ultra HD」へ変更してみました。

そして、あらためてお気に入りの楽曲の再生ボタンを押した瞬間、スピーカーから聞こえてくる音の表情が一変しました。「すごく抜けの良い音になった」と感じ、それまでのモヤモヤが一気に晴れ渡るような衝撃を受けたのを今でも覚えています。

もちろん、技術的に「設定を変えたことだけが音の変化の唯一の原因だ」と断定するつもりはありません。しかし、この設定の見直しが、私のストリーミング再生に対する印象を大きく変える最大の転換点になったのは間違いありませんでした。

Amazon MusicでHDとUltra HDを再生するための音質設定画面

ハイレゾに設定して、実際にどれくらい音が変わった?

アプリの設定を正しく「HD/Ultra HD」へ合わせたところで、普段私がじっくりと音楽に向き合っているメインのオーディオシステムを使い、実際の音をじっくりと聴き込んでみることにしました。

私が普段、1日に約2時間ほど集中して音楽を聴いているメインシステムは以下の構成です。

  • ネットワークストリーマー: WiiM Ultra
  • プリメインアンプ: DENON PMA-2500NE
  • スピーカー: B&W 705 S3

決して超高額なハイエンド機材の連なりではありませんが、一つひとつの機器の音質傾向を理解し、自分の好みに合わせてセッティングを重ねてきた大切なシステムです。

Nils Lofgren「Keith Don’t Go」で驚いた

このシステムを使い、Amazon MusicのUltra HD(ハイレゾ)音源で試聴した中で最も感銘を受けたのが、Nils Lofgren(ニルス・ロフグレン)の「Keith Don’t Go」でした。私はこの曲を、彼の圧倒的なギターテクニックを随所で堪能できる最高の名曲としてとても高く評価しています。

Amazon Musicでこの曲を再生した際、アコースティックギターの音のリアルさに思わず目を見張りました。

演奏者が右手で弦をつまびく瞬間の弾けるような音はもちろんのこと、左手が指板の上をスライドする際に生じる弦との摩擦音までクッキリと耳に届き、CDで聴いていた時よりもギターの音が一段と鮮明に感じられたのです。

静かな静寂の中からギターの一音一音が立ち上がってくる様子は、まさにそこに演奏者がいるかのような説得力があり、「サブスクでここまで聴かせてくれるのか」と素直に感動しました。

(※なお、ここでの比較は普段のリスニング環境における私個人の主観的な試聴体験であり、測定器によるレベルマッチやブラインドテストを行った客観的証明ではありません)

Amazon MusicのハイレゾはCDより音がいい?

ここで多くの方が気になるのが、「じゃあ、Amazon MusicのハイレゾはCDよりも音が良いのか?」という点だと思います。

私の環境における正直な実感を言えば、一般的なCD盤と聴き比べた場合、自分のオーディオシステムではAmazon Musicの音源の方が「音が良い」と感じる場面が確かにありました。

しかし、これを「どんな環境でもAmazon Musicの方がCDより高音質である」と一般的な法則のように断定することはできません。なぜなら、音の聴こえ方には単なるデジタルデータ(bit/kHz)の違いだけでなく、元の音源のCDマスタリングの違いや、使用しているCDプレーヤーとネットワークストリーマーの性能差、さらにはお部屋の音響状態など、様々な条件が複雑に影響し合うからです。

それでもSACDがあるなら私はSACDを選ぶ

では、もう物理CDは一切聴かなくなったのかというと、決してそんなことはありません。私の中で、ストリーミングとパッケージメディア(特にSACD)には明確な使い分けが存在します。

もしすでに手元に所有している大好きなアルバムで、SACD盤が存在している場合は、私は今でも迷わずSACDを選んで再生します。

SACDを聴く際は、CD/SACDプレーヤーの「DENON DCD-1700NE」を使っています。我が家のLAN環境は、特にオーディオ専用の高価なルーターや極太のネットワークケーブルを導入しているわけではありません。ごく普通の通信環境です。そのため、今日はじっくりと腰を据えて一枚のアルバムの世界に浸りたいという日や、お気に入りのSACD盤がある場合は、自然とDCD-1700NEのトレイにディスクを乗せる手に力が入ります。

一方で、まだ手元に持っていない過去の名盤や、廃盤になっていて入手が難しいクラシックの旧録音などを聴きたい時は、Amazon Musicで探せばすぐに十分すぎるほどの高品位な音で楽しむことができます。

「Amazon Musicか、それともSACDか」という二者択一の勝敗をつけるのではなく、それぞれの良さを理解した上で、自分の音楽生活に合わせて柔軟に使い分けることこそが一番贅沢な楽しみ方だと感じています。

Amazon MusicとSACDを音楽の聴き方によって使い分けている例

QobuzとAmazon Music Unlimitedではどちらが高音質?

オーディオファンの間で「高音質ストリーミングの真命」として高い評価を得ている「Qobuz(コバズ)」についても触れておきます。私自身、Qobuzのサービスが始まってすぐに契約し、現在もAmazon Musicと並行して解約せずに使い続けています。

両方のサービスで同じ楽曲を繰り返しじっくりと聴き比べてみたところ、確かにQobuzの方が音の端々にある微細な表情や繊細さを聞き取れると感じる瞬間はあります。

しかし、私が日々愛用しているオーディオシステムで聴く限りにおいては、その音の差は決して決定的に大きなものとは感じられませんでした。耳を澄ませばわずかな違いはあるものの、「どちらかが圧倒的に優れていて、どちらかがダメだ」と言い切れるほどの差ではありません。

むしろ、長年使い続けてきたことでAmazon Musicの音の響き方に自分自身の耳が馴染んでいることや、これまで時間をかけてコツコツ作り込んできたお気に入りのプレイリストが豊富に蓄積されていることなど、使い勝手も含めたトータルの満足度から、私はQobuzへ完全移行することなく現在もAmazon Musicをメインで活用しています。

Qobuzとのより詳細な音質比較や、私がAmazon Musicをメインに使い続ける理由については、こちらの記事(Amazon Music Unlimitedでクラシックを聴く|私がQobuzから戻ってきた理由)でも詳しく書きましたので、気になる方はぜひ併せてご覧ください。

ハイレゾなのに音が良く感じられないときに確認したいこと

「Amazon Musicでハイレゾ再生をしているはずなのに、どうも音がパッとしない」という場合、機材や設定のどこかで高音質データの伝送が妨げられている可能性があります。そんな時は、以下のポイントを順番に確認してみてください。

アプリ内の音質設定を再確認する

設定メニューを開き、ストリーミングおよびダウンロードの品質が「HD/Ultra HD」に正しく固定されているか確認します。

再生画面の「品質バッジ」をタップしてみる

楽曲再生中に画面上に表示される「HD」や「Ultra HD」の黄色いバッジをタップすると、現在配信されている楽曲のスペック、お使いの端末の出力能力、そして「実際に再生されている品質」が一覧で表示されます。ここでどこかがボトルネックになって品質が落ちていないかチェックできます。

再生端末やDACの対応スペックを確認する

スマホのイヤホンジャックや、PCに接続しているUSB DACが、ハイレゾ帯域(24bit/48kHz以上など)の出力に対応しているか確認しましょう。

ネットワーク回線の安定性を確保する

Amazon公式の案内にある通り、Ultra HDなどの大容量データをスムーズにストリーミング再生するためには、安定した通信速度が必要です。Wi-Fiの電波が弱かったり回線が混雑していたりすると、再生途中で自動的に画質ならぬ「音質」が低く抑えられてしまうことがあります。

PC再生時は「排他モード」を活用する

パソコンを使ってオーディオ機器へ出力している場合は、OS内部の音声ミキサーを通さずにDACへダイレクトに信号を送る「排他モード」の使用が効果的です。PCでAmazon Musicを聴く場合は、排他モードも確認しておきたいところです。

Amazon MusicをHDやUltra HDで再生するときに確認したい設定と再生環境

Amazon Music Unlimitedのハイレゾはどんな人に向いている?

Amazon Music Unlimitedのハイレゾ再生は、単に「24bit/192kHz」というスペック数値を追い求めるデータマニアのためだけのものではありません。むしろ、日常の中で純粋に音楽を愛している次のような方にこそ、心からおすすめしたいサービスです。

  • 聴きたいCDやSACDが多すぎて、すべてを買い揃えるのは金銭的に難しいと感じている人
  • 往年の名盤から最新のアコースティック録音まで、妥協のない音質でじっくり掘り下げたい人
  • 手持ちのオーディオシステムを活かして、手軽に高品位なストリーミング環境を構築したい人
  • クラシックやジャズなどで、同じ楽曲の異なる指揮者・演奏家の録音を何種類も聴き比べたい人

限られた予算や部屋の収納スペースに悩まされることなく、広大な音楽の海を「いい音」で自由に泳ぎ回れる感覚は、CDを一枚ずつ買っていた時代には考えられなかった大きな歓びです。

CD中心だった私が、今はAmazon Musicで聴くことの方が多くなった

私がAmazon Musicを愛用しているのは、決して「24bit/192kHzというスペック数値が優れているから」という理由ではありません。

まだ手元にない歴史的名盤から、ふと耳にして気になった新しい楽曲まで、思い立った瞬間にその場で検索し、自分のオーディオシステムで十分に満足できる高いクオリティの音で鑑賞できる。この「圧倒的な手軽さ」と「音質の高さ」が両立していることこそが、長年CDを中心に音楽を楽しんできた私のライフスタイルそのものを大きく変えてくれました。

もちろん、特別な思い入れのあるSACDは今でも丁寧にプレイヤーで聴きますし、Qobuzの繊細な響きも捨てがたい魅力があります。それでも、日常の中で私がいちばん長く音楽を流し、新しい感動に出会えているのは、間違いなくAmazon Music Unlimitedです。

「大好きな音楽を、もっといい音で楽しみたい」

もしあなたがそう願っているなら、高価な機材を新しく買い足す前に、まずはAmazon Musicのアプリ設定を「HD/Ultra HD」に正しく合わせた上で、ご自身が最もよく知っている大好きな曲でその響きを試してみてください。きっと、普段聴き慣れていた曲の新しい表情に出会えるはずです。

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